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Matter製品をつくる人へ
認証のはなし

「認証は大変?費用は?」「試作だけならどうする?」。Matter対応の製品を作るときに知っておきたい、認証・会員ランク・技適の基本をまとめました。

🏷 3つの認証 🧪 試作と技適 💳 会員ランクと費用 🧭 認証の流れ
📋 このページの内容
  1. よく聞かれる質問から
  2. 「認証」は3種類あって、別物
  3. 認証なしで作れる?
  4. 日本で試作機の電波を出すとき(技適)
  5. 認証を取るまでの流れ
  6. 会員ランクと、製品の出し方
  7. 試験の費用と、日本の試験所
  8. 各社のバッジの試験は、CSAのラボに集まる方向
  9. 更新やシリーズ品の認証を軽くする制度

よく聞かれる質問から

テクノロジー業界向けの展示会や商談の場で、よく聞かれる質問です。短く答えてから、下の節で詳しく説明します。

Q
認証は大変?費用は?
費用は大きく3つです。CSAの年会費、1製品ごとの申請料、それに試験所の試験費用。試験費用は各試験所にお問い合わせください。Google・Apple・Amazon・SmartThingsのバッジの試験はCSAのラボに集まる方向で、1か所に持ち込めば済むようになりつつあります。
→ 会員ランク・試験の費用・CSAのラボ
Q
研究や試作(PoC)として作れる?
作れます。開発キット(SDK)はオープンソースで、試作用のメーカーIDも用意されています。各社のアプリにも、警告付きで登録して試せます。ただし日本で電波を出すので、技適の無い試作機なら総務省の「180日の特例」を届け出てください。販売するなら認証が要ります。
→ 認証なしで作れる?・技適
Q
どの会員ランクなら、どんな出し方ができる?
自社で開発して認証を取るなら、Adopter以上です。他社の認証済み製品をブランドを変えて出すだけなら、年会費0のAssociateでもできます。自社の製品を他社に提供する側になれるのは、ParticipantとPromoterだけです。
→ 会員ランクと、製品の出し方
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「認証」は3種類あって、別物

誰が何を確かめる要るか
Matter認証CSAMatterの仕様どおりに作られているか「Matter」と名乗って売るなら必要
Works with ○○Google・Apple・Amazon・Samsungそのアプリで実際にちゃんと動くか任意(バッジを付けたい場合)
電波の認証(日本なら技適)国(総務省)電波法を守っているか日本で電波を出すなら原則必要。試作でも
💡 Matter認証を取っても、技適は別に要ります。技適を取っても、Matter認証は別です。

Matter認証と技適の関係を公式に説明した資料は見当たらないため、ここでは「別の制度」とだけ書いています。CSAには製品のセキュリティの認証(Product Security)もありますが、このページでは扱いません。

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認証なしで作れる?

作って、手元で試すことはできます。

  • Matterの開発キット(SDK)はオープンソースで、ライセンスはApache 2.0。研究や試作に使えます。
  • CSAは、試作・開発のためのメーカーID(0xFFF1〜0xFFF4)と、テスト用の証明書の作り方を用意しています。仕様書も、メーカーやホビイストの試験・開発のためのものだと書いています。
  • ただし、販売するなら認証が要ります。Appleは、Matterアクセサリーを配布・販売するならCSAの認証を受けるよう案内しています。Googleは、一般の利用者向けの製品にはCSAの認証が要り、テスト用IDは使えないとしています。
ADVANCED各社アプリでの試し方
試し方制限・表示
Google Home開発者コンソールでプロジェクトを作り、テスト用IDを登録してQRコードで追加テスト用IDで試せるのは、基本の登録・操作まで。製品の試験・フィールドテスト・ファームウェア更新の段階では使えない
Apple HomeHomeアプリで追加すると、認証されていないアクセサリーだという表示が出る(英語の原文はuncertified accessory)。そのまま追加を選べば追加できる(原文はAdd Anyway)ファームウェア更新の試験には、テスト用の台帳(TestNet DCL)を使う
Amazon Alexa開発者アカウントのAlexaアプリで「デバイスを追加 → その他 → Matter」Matterに対応していない機器だという警告が出て、続けるかを聞かれる(英語の原文はThis device isn't Matter compatible)
SmartThings公開サンプルで、「仮想のMatter機器」をスマホに作って試せる実機でのテスト用IDの扱いは、公開資料に記載なし

AppleとAmazonの手順は、それぞれファームウェア更新の試験・照明のサンプル機についての説明で、どんな試作機でも同じとは限りません。

警告が出るのはなぜ?

仕様書が、テスト用IDの機器は、利用者が危険を分かっている場合を除いて、ふだんの家のネットワークに登録すべきでない、としているためです。

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日本で試作機の電波を出すとき(技適)

  • 日本で電波を出すには、原則として技適が要ります。技適の付いた無線モジュールを組み込んだ製品なら、同じ表示を付けられます。
  • 技適の無い試作機は、「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」(いわゆる180日ルール)が使えます。総務省のWebで届け出れば、届け出の日から180日以内なら国内で実験に使えます。法人・個人のどちらでも届け出られ、手数料はかかりません。同じ規格・同じ目的での延長はできません。
  • 特例の対象表には、無線LANの2.4GHz帯・5GHz帯と6GHz帯(制限付き)、Bluetoothなどが並んでいます。Matterで使うWi-Fi(2.4GHz帯)・Bluetooth LE・Thread(IEEE 802.15.4)は、どれも特例の対象規格に入っています。ただし規格の名前だけで使えるわけではなく、機器ごとに、相当する基準に合っていることを確かめて届け出ます。
  • もっと長く実験するなら、実験試験局の免許(5年。再免許もできる)を取るか、技適を取ります。

2026年3月時点の総務省の資料にもとづきます。この資料は制度の見直しを検討する会議に出されたもので、制度が変わる可能性があります。

ADVANCEDThreadが対象と言える根拠

特例の対象となる規格は、総務省の告示で決められています(令和元年総務省告示第263号。最終改正は令和5年12月22日施行)。その第四項に「IEEE802.15.4」があります。告示が指定しているのは規格のIEEE 802.15.4で、Threadという名前は出てきません。ThreadはIEEE 802.15.4の電波を使うので、この項に当たります。Bluetoothは「Core Specification Version 2.1以降」です。

告示の本文:令和元年総務省告示第263号(総務省 電波利用ホームページ)

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認証を取るまでの流れ

  1. CSAに入会する
  2. メーカーID(VID)などを用意する
  3. 使う通信方式を決め、その方式に要る認証を確かめる
  4. 認定試験所(ATL)を選ぶ
  5. 日程を決め、試作機と「何を実装したか」の申告書(PICS)を出して試験を受ける
  6. CSAの申請ツールで申請する
  7. CSAの審査を受ける(追加の資料を求められることもある)
  8. 認証書が出る。Matterの場合は、認証の証明(CD)とDCLへの登録も付く

期間:決まった標準の日数は示されていません。試験所の試験期間と、審査の中身によります。申請の手引きと申告書のひな形は会員向けのページにあるため、ここでは細かい手順は書いていません。

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会員ランクと、製品の出し方

ランク年会費自社で開発した製品の認証自社の派生製品他社の認証済み製品を自社ブランドで出す(CTP)
Promoter112,500ドル(+入会金。金額は記載なし)○(2,000ドル/製品)1,500ドル/製品受けられる(1,500ドル/製品)。出す側にもなれる
Participant21,500ドル○(2,000ドル/製品)1,500ドル/製品受けられる(1,500ドル/製品)。出す側にもなれる
Adopter7,500ドル○(3,000ドル/製品)2,500ドル/製品受けられる(2,500ドル/製品)
Associate0ドル記載なし(会員特典に含まれていない)記載なし受けられる(2,500ドル/製品+毎年500ドル/製品)

金額は、2026年10月時点のCSA公式サイトの掲載額です(米ドル。税の扱いは記載なし)。試験所の試験費用は含みません。詳しくはこちら(CSAの会員ページ)

読み方

  • 自社で開発して認証を取るなら、Adopter以上
  • 年会費0のAssociateは、他社の認証済み製品をブランドを変えて出す(ホワイトラベル)ための入口
  • ホワイトラベルの元になれる(他社に製品を提供する側)のは、ParticipantとPromoterだけ
  • ホワイトラベル(CTP)で変えてよいのは、包装・筐体・画面の見た目とブランドだけ。機能は変えてはいけません。例として、筐体の色・ロゴ・起動画面が挙がっています。OEM・ODMといった契約の名前で決まるのではなく、機能を変えていないかで決まります。
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試験の費用と、日本の試験所

💡 費用は、CSAの年会費と1製品ごとの申請料、それに試験所の試験費用。試験費用は、詳しくは各試験所にお問い合わせください。

CSAの認定試験所の一覧で、日本の拠点と明記されているのは次の2つです。どちらも、CSAの日本支部(Japan Interest Group)の創設メンバーです。

  • Allion (Japan)(アリオン)― 東京都品川区
  • TÜV Rheinland Japan(テュフ ラインランド ジャパン)― 横浜市都筑区

一覧で国名が日本と書かれているものだけを挙げています。海外の試験所の日本の窓口は含みません。また、一覧にはどの試験所がMatterの試験をできるかは書かれていません。→ CSAの試験所一覧/日本支部の設立のお知らせ

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各社のバッジの試験は、CSAのラボに集まる方向

CSAは米国オレゴン州ポートランドに、相互運用テストラボ(Interop Test Lab)を持っています。CSAの職員が、各社のハブやアプリと組み合わせて、実際に動くかを試します。仕様どおりかを見る認証試験とは別のものです。

バッジCSAのラボの結果の使い方(2026年10月時点)
Works with Google Home段階的にCSAのラボの結果へ移行中で、最終段階ではCSAのラボの結果だけになる。2026年からはすべてのMatter統合でAllianceの相互運用試験が必要、と告知している(各段階の日付は書かれていない)
Works with SmartThingsCSAのラボに出したMatter機器は、SmartThingsの試験も自動で、無料で受けられる(2025年11月のリリースノートで告知)
Works with Apple Homeバッジの条件が「CSAのMatter認証」と「CSAの相互運用試験」
Works with AlexaCSAのラボの追加サービスとして受けられる。CSAへの申し込みのときに、Alexaの認定も希望すると書く必要がある
💡 各社のバッジの試験がCSAのラボに集まってきているので、作る側は1か所に持ち込めばよくなりつつあります。ただし、どのバッジもそれぞれの会社への申し込みと条件があり、1回の試験で4社のバッジがまとめてもらえるわけではありません。
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更新やシリーズ品の認証を軽くする制度

同じ製品のソフト更新や、シリーズ品をまとめて認証するための制度もあります。

ADVANCED同じ製品の更新や、シリーズ品は?
  • FastTrack Recertification:認証済みのMatter製品のソフト更新のとき、訓練を受けた会員が自社で試験し、CSAのラボに2台出して再認証する制度(2025年1月発表)。使えるのは、訓練を受けたParticipantとPromoter(CSAが案内している解説FAQより)。
  • Portfolio Certification:元になる製品をもとに、複数の製品を1回の申請でまとめて認証する制度。MatterとZigbeeが対象。どのランクが使えるか、料金はいくらかは示されていません。
  • このほか、似た製品の認証(Certification by Similarity)、製品ファミリーの認証という制度もあります。

出典:CSA公式サイト(会員・認証・試験所・ニュース)、Google・Apple・Amazon・Samsungの開発者向けページ、総務省の資料と告示。金額や各社の方針は変わることがあるため、最新の情報は各公式ページで確かめてください。

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